第12話

「結論から申し上げますと……ミズ高崎は修道院にて預かることになりました。

 彼女の同意もあります」

「そんな!?」


 彼らの教派は、プロテスタントといってもカトリックに内容が近い。違う点を挙げるなら、幼児洗礼をしない、懺悔がない、万人祭司で牧師の結婚を推奨しているという点だろうか。

 なので、プロテスタント教派なのに修道院がある。

 そこへ彼女が入るという。


「ダメだ!! 俺が説得して結婚する!!」

「彼女は望んでいません。静かに暮らしたいのだそうです」


「実ノ里から何か……聞けたの?」

 クローブは彼女から何も教えてもらっていない。兄には話したのだろうか。

「身の上話ですか? 聞いた内容は秘匿します」

「――!!」

 兄には話したのだ。


「貴方に信用がないということを自覚しなさい」

 原田の方を向くと、

「市役所とミズ高崎の主治医にお話に行きます。

 この連絡先にアポイントメントをお願い致します」


「待って! 待って!!」


 聞いてくれない二人に、クローブは彼女の部屋のドアを大きく開いていた。

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