第12話

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「なんつーか…麻美なら待っててくれるって思ったから」



「……」



胸倉をつかんでいた手力なく地面に向かって落ちる。




そんな顔でそんなこと…言わないでよ。




「とにかく!イルミネーションまで何しよっか!」




「別、何でもいい…」




あたしならずっと待ってると知ってるくせにどうしてあたしじゃだめなの?




目が熱くなって、視界が潤む。




あぁ、だめ、泣いちゃいそう。



とっさにうつむく。




すると、



「……なぁ、麻美、本当に悪いって思ってる。麻美だから大丈夫とか思って…怒るのも分かる。


けど、せっかく今からデートなんだし笑ってよ。」




と、うつむくあたしを覗き込みながらそう言った。





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