第12話

「だから、ボクはその時剣にかける魔法を切り替えたんだよ。一見、っていうか、世間一般じゃゴーレンには炎ってなってるけど、実はあれは……」


 ごん!


 俺は、村の女の子を集めて自慢話をしているレンを思いっきりどついた。


「何するんだい!?」

「てめーが偉そうにしてるんじゃねーよ! やっつけたのはリーリアだろ!」

「だからボクは、今回のじゃなくてボクの武勇伝を……」


 そう、リーリアは怪鳥のリーチの外から全て射殺した。つまり、俺たちが護衛する意味はなかった。


 それでも怪鳥を倒したのは俺たち全員の手柄になって、こうして村で宴になっているわけだが。


 当のリーリアはというと、……底なしだった。強い酒をぐびぐびと飲み干している。


「リル様♪」

 普段より幾分上機嫌なリーリアが寄ってくる。

「……酒臭いぞ?」

「リル様もどうぞ♪」

 いやそれ、世間一般で一番強い酒だから。んなジョッキで飲んだら倒れるから。


 結局、最初にティルが酔いつぶれ、次がレン。俺はその次だったので見たわけではないが、リーリアが最後まで立っていたらしい。



◇◆◇◆◇

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