第31話

「あ」



「どうかしました?」



かじゅ魔先輩は何かに気がついたように小さな声をあげると私の耳元に顔を寄せた。



「…間接キス、しちゃったね」



「っ!!」



かじゅ魔先輩は少し照れた声でそう言った。



そんなこと、かじゅ魔先輩は気にしてないと思ってたのに…。



一気に顔が赤くなるのを感じた。



私は赤くなった顔を隠すために俯きがちにアイスをかじる。



「あれ~?照れてる?」



そう言いながらかじゅ魔先輩は私の顔を覗き込む。



「み、見ないでくださいっ」



「えー?なんで~?顔が赤くなってるから~?」



う~、わざわざそんなこと言わないでよ~!



こんな照れてるところかじゅ魔先輩に見られたくなかった…。



だって、かじゅ魔先輩が好きってバレちゃいそうなんだもん。

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