「か、からかわないでくださいよぉっ」

「別にからかってへんよ。それよりええの？みんなお前のこと見てるで？このままずっと俺に抱きついとく？」

はっ…！！

また転ぶのが怖くて周りが目に入らなかった…。

でも変な体制のまま抱きついたせいで体制が立て直せない。

離れたいけど離れたら確実にすってんころりんってなっちゃう！

どうしようと頭をフル回転させていると時人先輩が「しゃーないなぁ」とつぶやいた。

そしてその直後あたしをお姫様抱っこしてスイーッとリンクを滑って入り口まで運んでくれた。

勿論、あたしが抱きついた時よりもたくさんの視線を感じたけど、それよりもなによりも時人先輩にお姫様抱っこをされているというシチュエーションにドキドキして仕方がなかった。

そのあともしばらくの間ドキドキを引きずっていたけれど、時間が経つにつれドキドキは収まっていった。

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