第22話

「……ねぇ、リュシー……」

「……何だ?」

「年、いくつ?」

「……十六」

 リリアはまどろみから飛び出た。年下だったのか。しかも子供。


 リュシオスは、ベッドから降りてガウンを着ると、棚の方へ行った。何か、鍵をいじるような音。ややあって、戻ってきた。


 指輪が二つ。

「……結婚してくれ」

 言いながら、リリアの左手に指輪を嵌め、もう一つを彼女の手に握らせる。


「……大丈夫。側にいる」

 彼の左手に、彼女の手で指輪を嵌めると、それを待っていたように接吻してきた。


 薄明かりの下で、微笑みながら。



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