エピローグ
第41話
エピローグ ―― Winter Comes around Again ――
白い、風景が広がる。
十度目の冬。ただ、その事実を噛み締める。
あの日――彼は一人、氷王神殿――黒から白へと戻った氷王神殿から開放された。
そして――冬の訪れを知る。溶岩は大地となり、結界は消滅した。とめどなく冷えた世界は、やがて春の暖かさに包まれ――季節は巡った。
氷王神殿は、どこにもない。本当に存在していたのか――
結界期が終わり、広がった大地。それが、今彼が居る場所だった。ただ、雪のみが見える。
――ケイディス。貴方は――氷王の化身だったのですか?
誰も聞かぬ問いを、胸中で続ける。
――貴方は、貴方に迎えが来損なったと言った。それは、彼女が居たから……
――貴方を存在させた、彼女が邪魔だったのですか?
応える者は、居る筈もない。
ただ、雪が――白く、埋め尽くしていた。
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