第12話

――この感じは……!


 戻るなり、彼は駆け出した。ただ、白い壁と床と天井に囲まれた空間。そこに居るのは彼だけ。


 転移し、唖然とする。

 悲痛に、顔をしかめた。


 目の前に倒れているのは、この前知り合ったばかりの娘。……形を保っているだけ幸運か。


 どうしようもない。そう思って、せめて遺体を還してやろうと、手を伸ばして触れる。そこで、違和感。

「……生きてる……?」


 慌てて彼女を抱えると、転移した。



◆◇◆◇◆

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