第12話
――この感じは……!
戻るなり、彼は駆け出した。ただ、白い壁と床と天井に囲まれた空間。そこに居るのは彼だけ。
転移し、唖然とする。
悲痛に、顔をしかめた。
目の前に倒れているのは、この前知り合ったばかりの娘。……形を保っているだけ幸運か。
どうしようもない。そう思って、せめて遺体を還してやろうと、手を伸ばして触れる。そこで、違和感。
「……生きてる……?」
慌てて彼女を抱えると、転移した。
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