第8話

「スクーヴァル、ちょっといいですか?」


 二日後、リガスが訪ねて来た。彼女は、これまでの寂しさもあってか、

「リガスお兄ちゃん、どうしたの」

 嬉しそうに駆け寄る。リガスは、書類を見せ、

「これは間違いないですね」

 何気ないように、訊いてくる。


 彼女はそれに目を通し、

「うん。……でも、お兄ちゃんは忙しいでしょ? こんな小さな報告も受けるの?」


 彼女の問いに、リガスは、少し困ったような顔で、

「普通は人に任せるんですが、あなたの名前があったもので。

 ……で、本当に不審者はセシトイオと?」

「うん」

「……分かりました。ちょっと来て下さい」


 疑問に思いつつも、リガスの後を歩くスクーヴァル。ややあって、奥まった壁にぶつかった。


「……行き止まり?」

「機密室ですよ。込み入った話をしますから。ちょっと待っててください。ロックを外します」

 言い、壁に手を当て、

「認証。オーレム補佐・リガス」

 何かが動くような音。


「転移で入りますから」

 言うと、彼はスクーヴァルを巻き込んで転移した。



◆◇◆◇◆

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