第71話

「俺を殺すか……。しかしどうやって? もうブラック・オニキスの短剣も無いんだろう?」

「手段はある。

 魔眼だ」


「……魔眼? 噂は本当だったのか?

 呪殺効果があるとでも言うのか?」


「そんな効果は無い。魔眼の効果は――『契約』による力を無効化することだ」


 一瞬だが、ドルティオークの表情に驚愕が混じる。

「お前の人間離れした力が『契約』によるものだということは聞いた。

 魔眼で『契約』の力を断ってしまえば――私にすら勝てないのではないか?


 今度は、一族の仇などではない。

 他でもない、私の為に、死んでもらう」


 そしてティーンは――その双眸を金色に変えた。



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