第69話
家族が見守る中、儀式はつつがなく進行し――
「我が名、イリアの名の下に、ここに汝、リーゼ・フレイマをレクタの成人と認めます」
イリアのその言葉を最後に、儀式は終わった。
祭壇の上で仰向けに寝たまま――意識が遠のいていく。
「この祭祀殿を現実の世界と繋ぎます。
皆さん、出て下さい」
「…………リーゼ」
兄が、ぽつりと声をかけてくる。
両親の方は、かけるべき言葉も見当たらないのか、何も告げてはこない。
遠ざかって行く、複数の足音。
――お父さん、お母さん、お兄ちゃん……
――やだ……行かないで……
彼女の意識は次第に薄れ――やがて白濁色の海に落ちた。
◆◇◆◇◆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます