第46話

昼前になるまで飛び続けて、到着したのは切り立った岩山の上だった。岩山の一部が水平に切り取られており、飛行船が止められている。


「この下にティーンがいるのか?」

 飛行艇に驚きながらいうウォルト。


「正確に言えば……」

 ガーネットは飛行の呪法で、屋上から少し離れた岩山の上に行く。スペサルタイトも彼女に続き、岩山の上すれすれの所で止まった。


「ここの真下の部屋ね。……あ、生体探査は無駄よ。『禁忌』が、この拠点の中と外とを隔てる結界を張ってるから」


「……で、どうやって入るんだ? まさか、あの階段使う気じゃないだろうな」

 ウォルトの言葉に、ガーネットは意地の悪い笑みを浮かべ、


「そんな回りくどいことはしないわよ。

 ついでだから、見せてあげる。あなたがセミ-プレシャスだって証拠を」

 言うと、ウォルトをスペサルタイトの上から突き落とす。


「……う……」

 悲鳴を上げる暇すらなく、ウォルトは岩山に激突――せずに、岩山を素通りして落ちて行った。



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