第45話

また早朝に呼び出され、彼は急ぎ、外に出た。服装はいつもの通り、少々ヨレたシャツにズボンである。シャツもズボンも何枚か持っているのだが、全て似たような物のためにバリエーションに乏しくなっている。


 外に出てみると、彼を呼び出した相手は既にそこで待っていた。いや、ここに着いてから魔力で話しかけてきたという方が自然か。


「スペサルタイトに戻ってもらって調べてもらったんだけど」

 彼女――ガーネットは、挨拶もなしにそう切り出した。


「あなたからの定期報告は、きちんとイリアのところに送られてるっていうの。つまりあなたは、自覚が無いにもかかわらず、正常に稼働してるってことね」


「まぁた『ブラック・オニキス』か? だからそれは何なんだよ?

 それより、ティーンはどうなってんだ?」

 ウォルトの言葉に、ガーネットは僅かに首を傾げて見せ、


「……まぁ、ブラック・オニキスの件は置いとくとして……ティーンに会いたい?」

「会えるのか?」

「ええ。会いたいなら、スペサルタイトに乗って。あたしは自分で飛んで行くから」



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