3、非凡の中の平凡
第35話
3、非凡の中の平凡
――身体が、熱い。
熱にうなされることには慣れていた。幼い頃から幾度も繰り返してきたのだから。
目を開ければ、いつでも誰かの姿があった。母であったり、父であったり、兄であったり……。何時目を覚ましても、誰かしらが側にいて、励ましてくれたのだ。生まれつき病弱な彼女に、大丈夫だ、すぐ治る、と。
――頬を、額を撫でる、心地よい感触。
今も、誰かが側にいるらしい。母か、父か、兄か……。
その誰かに会おうと、彼女はゆっくりと目を開けた。
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