第17話
――どういうことだ?
予言者の情報を得て、トースヴァイの神殿を後にしながら、ティーンは考え込んでいた。
何故、巫女頭は警告を握り潰したのか。
いや、それ以前に、何故巫女頭が『禁忌』に敗れたのか。
巫女たちもそうだが、特に巫女頭は強大な力を持っていた筈である。巫女たちは、今のティーンと互角かそれ以上。巫女頭に関しては、もっと上の力を持っていた筈だ。一族の村にいたとき、村の大人たちの話を聞いていたが、数百年前に溯って、巫女頭の力の強大さが噂されていた。
代替わりで力が失われたのではない。巫女頭は、代替わりなどしていないのだから。
そう。巫女頭は過去も未来もただ一人。悠久の時を生きてきた存在なのだ。
その巫女頭が敗れたとなれば、ティーンに『禁忌』を破る力はない。しかし、それでも今以上の力をつけることはできなかった。今のままで、『禁忌』に立ち向かうしかない。
――おそらく、彼にはもう、残された時間はないのだから。
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