56・友人と昼食
第56話
「実はね…
「えっ?はっ?」
口に含もうとしていたご飯を危うく机の上に落としそうになった。
「生徒会長って忙しいんだね〜。でも霞が心配だから仕事も手につかなかったりして…」
「そんな事ないよ。紅露からlimeこないし…」
「そんな事言ってる側からしてくるって」
「そんな事…」
ブブッと音が鳴り見たら紅露からのlimeだった。
「愛しの彼かしら〜?」
「ゔっ…そうです…」
なんてタイミングにlimeを送ってくるのかしら?
こっちの話を聞いてるみたいに…んっ?まさか…聞いてる?…んな訳無いから。うん、無いね…と自分を落ち着かせてlimeを開いた。
{やっとひと段落だよ。霞はちゃんと食べた?}
{お疲れ様。まだ食べてる最中だよ}
送信してからご飯を口に含んだ。
「ラブラブで良いわね〜。霞…」
「んっ?何?」
友達が身命な顔をして小さい声で伝えて来た。
「…エッチしてる?」
「!!ゴホッ、ゴホッ」
いきなりの爆弾発言にご飯が喉に引っかかり咽せた。
「いきなり…どうした?」
「いやぁ…気になったから」
エッチって…私達まだキス止まりなんだよね…と思いつつおかずをマナー違反なんだろうけどグサグサと刺していた。
「この間久々にしてさー…」
「おっ、おうっ…」
本格的に生々しい話になって来てあれがどうだこれがどうだ…と友達の話を赤裸々に聞いてる私が恥ずかしくなった。
「で、霞達はどうなの?」
「……まだ」
箸を置いて友達の目を真剣に見て答えたら、ビックリした顔が視界に飛び込んで「嘘でしょ……」
とガックリされた。
「そんな雰囲気にならなかったの?」
「えっ?えっー…と…」
思い返しても無いかな。
だって昨日本物の
「ならなかったかな」
笑って誤魔化して嘘を付いた。
「鵤君、結構慎重派なんだね〜」
「そうかもね…」
苦笑いをしてお弁当を食べて完食して片付けた。
その後は他愛のない話をして昼休みが終わる頃に紅露が戻って来た。
「ありがとう。助かったよ」
「いいえ〜。いつでもお預かりしますよ?」
「俺の楽しみを取らないでくれるかな?」
「……」
なんだか2人の間に軽くだけど火花が見えるのは気のせいよね…。
「霞、大丈夫だった?男に言い寄られなかった?」
「心配性なんだから。…そんな男子居ないから」
後ろから抱きしめられて耳元で伝えられて恥ずかしくなった。
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