50・霞と茜
第50話
「紅露からいい加減離れなさいよ!」
「絶対離れません。茜さん、何度言ったら分かるのですか?紅露は私の彼氏です!」
「紅露は私…茜の彼氏よ?」
今、茜さんと勃発中。
事の始まりは下校時間に
紅露の熱が休日中に下がって学校が始まる時には何もなかった様な体調に安心していつも通りに授業を受けて下校になった。
「霞、少し生徒会に寄っていいか?」
「うん」
手を繋いで生徒会室に向かった時にその
「紅露〜!私に会いに来てくれたの?」
「……」
紅露、茜さんの言葉に反応せずに通り抜ける。
「そんなツンデレ紅露大好き。今日は一緒に帰れるでしょ〜」
「…帰れません」
“大好き”な言葉にピクっと反応して言葉を返した。
「えっ?何処からか声が聞こえた気がしたけど気のせいよね〜」
「紅露は私と…霞と帰るので茜さんとは帰れませんよ。お一人でお帰りください」
「アンタ!私と紅露の邪魔するなんて毎度毎度いい度胸してるわね!」
「邪魔してるのは茜さんの方ですけど?」
口でなら負けはしない。
この
「会長…田内と言い合ってるの凄いですね…」
「あぁ、自慢の彼女だよ。可愛いだろ?」
紅露と副会長が私達の言い争っているのを書類を確認しながら見ていたのを知らなかった。
「紅露は私の彼氏なのよ?何でアンタがいつも側に居るのよ!」
「いやッ…私が紅露の彼女なので。茜さん…紅露に好きって言って返事聞いてるんですか?」
「好きって言って好きって言ったわよ!」
あっー…聞いてないな…これっ。
「紅露の彼女は私…十夜霞の彼氏です。これだけは絶対誰にも譲りませんから!」
「だとよ。茜がなんて言おうと俺…鵤紅露は十夜霞の彼氏だから」
紅露が私を後ろから抱きしめてきて茜さんの顔が一瞬曇るけどすぐに笑った顔になる。
「知ってるよ?2人が
「!!」
「なんの事だ?俺と霞が?あり得ない」
紅露がバッサリと茜さんの言葉を切った。
「霞、行こう。茜にいつまでも付き合ってられない」
「あっ、うん」
肩を掴まれて茜さんの前から去った。
「紅露…さっきの茜さんの言葉…」
「聞かない。茜の言ってる事は大体が嘘なんだよ…」
嘘…
誰ともすれ違わない廊下で無言になってしまった。
「ゴメン…私の演技が下手だからっ…」
「演技とか言うな!霞は俺の彼女だろ?」
これで「うん」って言えればいいのに…
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