48・悶々としてます…

第48話

紅露が熱にうかされたまま告白・・して来た。


でも…それはさん宛であって“リリナーア”宛では無いから涙が出そうになっても無理矢理押さえ込んだ。


改めて偽装恋愛・・・・だと突きつけられた。


紅露の中には今だに霞さんが居る事であり忘れられない女性。


「美味いよ。霞」

「そう?良かった」


パクパクと食べてお粥を平らげてしまった紅露。


「紅露、着替え持って来てるから着替える?」

「……あぁっ…そうだな。汗で気持ち悪いから着替えるわ」

「うん」


紅露の着替えを渡して紅露が服を脱いで行く。


「……っ」


初めて見る紅露の上半身は鍛えていて胸板が厚そうで触りたくなった。


「霞?どうした?」

「えっ?はっ!!」


無意識に手を伸ばして紅露の上半身を触ろうとしていたから慌てて繕った。


「汗、拭こうか?」

「あぁ。助かるよ」


絞ったタオルを持ってベットに座って紅露の腕から拭いていく。


「紅露、背中も拭くから少し体制変えられる?」

「あぁ。うん、よいしょ」


紅露が体制を変えてくれて背中が視界に飛び込んで来た。


「……」

「気持ちいい?痛くない?」

「あぁ、気持ちいい」


男らしい大きな背中を見てこの背中に手を回して抱きしめた事を思い出して顔が熱くなった。


「紅露だっ、大丈夫?」

「あぁ、辛い……」

「急いで拭くね」


腰まで拭いて紅露は服を来て下は私は後ろを向いて見ない様にした。


「はぁぁぁー…かったるい…」

「これでゆっくり寝れるね。片付けて来るから」

「あぁ。ごめんな、霞」

「大丈夫だから」


紅露の脱いだ服を持って平らげたお粥を持って部屋から出た。


「霞、紅露くんどう?」

「うん。汗拭いて着替えて今寝てる」

「そう。客用布団出して置いてあるから後で持っていってね」

「ありがとう、お母さん」


お母様と話して紅露の服は洗濯機に入れお粥の食器はシンクの中に入れて客用布団が出てる部屋に向かって持ち上げて自分の部屋に向かった。


「……」


静かに入ったら紅露が寝息を立てて眠っていた。


「熱でしんどいもんね。側にいるから。リリナーアとして貴方の側にいる」


隣に客用布団を敷いて布団の上に寝転がる。


「……」


そう言えば紅露と夜を一緒に過ごすって初めてと今更ながら気付いたら心臓がドキドキして来た。


さっきも紅露の上半身を触ろうとしたし…。


「紅露に熱がなかったらあのまま私達どうなっていたんだろう…」


今度は悶々として来て欲求不満なんだろうか…と思い始めた。


「〜〜っ」


隣で静かに寝てる紅露を見つめながらドキドキしていた。

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