47・熱で倒れました〜紅露目線〜

第47話

リリナーアと浅いキスから深いキスになってリリナーアを抱っこしてベットに連れて行き俺の欲望をぶつけようとした。


リリナーアが大好きだ。好きだ。


心の底から愛してる。


側に居て欲しいし、俺の側から離れないで欲しい。


「……っ」


目を開けて天井が視界に飛び込んできた。


「俺はっ……?」


額に冷たいのが乗っかっているのが分かりソレを触ると隣から声が聞こえた。


「紅露!大丈夫?」

「…リリナーア?どうし…?」

「あの後倒れこんでビックリしたんだから!」


あぁッ…あの後、俺は倒れたのか。


「もぅ!心配したんだから!」

「母さんには?」

「おばさまにはもう言ってあるから今日はココで寝て?」

リリナーアのベットを占領する訳にはいかないから起きて…」

「ダメ!私は下で寝ても平気だから!」

「……じゃあお言葉に甘えるよ」


リリナーアの頬を触りながら伝えたら頷いた。


「お腹空いてない?今、お粥作ってるからゆっくりしてて」


「あぁ。早く戻って来いよ」

「うん。作ったら早く戻るね」


手が離れてリリナーアが立ち上がり部屋から出て行ったら急に静かになる部屋の中。


「こんなにもリリナーアが居ないと静かなんだな…」


ふとっと思い目を閉じた。


「起きれてご飯食べれる?」

「……リリナーアがいる。俺の夢か?」


手を伸ばしてきっと幻覚だから掴めないだろう…と思ったら触れられた。


「紅露、氷枕替えよう」

リリナーア、俺はね…」

「うん。何?紅露」


熱でうなされてるからきっといつも言えない言葉が出て来た。


リリナーア、愛してる。大好きだ」

「……!!」


リリナーアの瞳が大きく見開いて俺を見てる。


リリナーアの頬を撫でるとリリナーアの手が俺の手と重なりリリナーアが笑顔になる。


「紅露、私も好きよ」

リリナーア。俺の側に居て」

「いるわ。離れないでいてあげるんだから」


熱が出て頭がボッーとしてる俺にはリリナーアが涙目になって一生懸命、涙声にならない様にしてる…俺にはそこまで頭が回らなかった。


「お粥食べれそう?」

「うー…ん。食べれると…思う…」


体が重くて言う事聞いてくれなくて起き上がれないけどリリナーアがせっかくお粥を作ってくれたんだから無理矢理でも起き上がる。


でも今自分で体を支えきれないから壁に寄りかかる。


「食べさせて?」

「えっ?ハードル高いっ!…けど辛いもんね」


熱が出てサンキュと心から思った。


“あーん”が出来る事…夢が実現する。


「はい、熱くないから紅露」

「あーん」


レンゲにお粥を掬って俺の口に運んでくれる。


「美味しい?」

「熱が下がるお粥だよ」


甘く美味しく感じるのは俺の為に作ってくれた愛情の深さだろう。

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