21・お弁当の時間
第21話
通学路で紅露さんはモテると発覚して驚いた。
目的地に着くと大きな建物が建っておりそれが学校で同じ服装の方達が、その中に吸い込まれていく。
学校の事は一通り教えて貰ったけどこれが初実施。
先生が居てそれぞれの事を教えてくれるからそれをノートに書き写していく。
(…難しい…)
先生が何を言ってるかさっぱり分からず頑張って付いていかないといけないからノートに書き込んでると視線を感じた。
その視線を辿ったら紅露さんと目が合った。
「……」
「……っ」
慌てて目を逸らして授業に集中しようとするけど視線が突き刺さる。
休み時間になったら言おうと思う。
「鵤、問題を解いてくれ」
鵤…?紅露さんの苗字!怒られるの?と不安に思っていたら「大丈夫」と目配せしてくれたから安心した。
見る物全てが新鮮で色んなものに興味が出てくる。
「霞、昼食の時間だよ?こっち」
「あっ、うん」
授業が終わり今度は休憩時間らしくお弁当を持って紅露さんに着いて行く。
「何処に行くの?」
「着いてからのお楽しみ」
お弁当を初めて見る心にウキウキしてると隣でカシャと鳴る音が響く。
「紅露!写真撮らないで」
「これは俺の特権〜」
隙あれば写真撮ってるけど私の顔に価値あるかしら?と思いながら呆れていた。
「紅露のお弁当はどんな?」
「俺のはいつものパンだよ」
「いつものパン?」
紅露さんがいつものって言うけど私には分からない。
「焼きそばパンだよ」
「焼きそばパン?なんですの、それは…」
不思議な名前を聞いてとても美味しそう名前。
「リリナーアは初めてだね。食べてみる?」
「はい!頂きます」
紅露さんから焼きそばパンをもらってかぶりつくと言ったからかぶりついた。
「んっ〜美味しいですわ」
甘めの味に細い紐みたいなのが絡まって、フワフワしてるパンは初めてで美味しい。
「この紐みたいなのは何ですか?」
「紐…まぁ、見えるよね。麺って言うんだよ」
「麺ですね。美味しいですわ」
これも写真を撮られたのは言うまでもないですけどね。
「紅露、お弁当食べて」
「交換?」
「はい。私、これ気に入りましたわ」
「そっか。作った甲斐があったよ」
紅露さんがこれを作った?
この男性は優しいのもあり料理上手でもあり完璧な男性です。
「紅露は、凄いです」
「霞に褒められるなら頑張れるよ」
お弁当を持ちながら私に向かって笑った。
そう言えば授業中見るのやめてって言うの忘れていた…。
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