19・紅露、異性にモテる

第19話

朝食を食べながら私は紅露さんをチラ見。


紅露さんの制服姿がカッコ良くて…。


「霞、何?」

「えっ?何でもない」


カッコ良すぎて凝視出来ないなんて。


「霞、紅露君、時間は大丈夫?」

「そろそろ行くか、霞」

「あっ、うん!」


お母様に急かされて口に運びご馳走様をして紅露さんと二人で玄関に向かう。


「で、何を見ていたのかな?霞ちゃんは」

「えっ?紅露…」


玄関で紅露さんに急に壁ドンされた。


「霞ちゃーん?それともリリナーアかな〜?」

「……っ」


紅露さんがジリジリと体を寄せて来て耐えられなくなった私は小さい声で言った。


「紅露の制服姿がカッコ良すぎて…似合いすぎて…」

「リリナーアも可愛いよ。さすが俺の彼女」


そう言って素早く私の頬にキスをした。


「!!」

「二人とも熱いわね〜。イチャイチャは良いから早く行きなさい?」

「あっ!はーいっ」


お母様の呆れ声が聞こえて来て慌てて離れた。


「霞、行くか」

「行って来まーす」


通学鞄を持って家から出たら道に同じ制服を着てる人達が歩いていた。


見慣れない光景を見て体が固まったのを見て紅露さんが笑って手を差し出した。


「…霞、行くよ」

「…はいっ」


差し出された手の上に自分の手を乗っけて手を繋いだ。


「紅露!おはよう〜」


私の緊張を解いたのは天敵の女性。


茜さんは後ろから空いてる方の紅露さんの腕に絡め挨拶するけど無視してる。


「紅露ー!おはよう」

「おはよう〜」


そしてそのまま歩いていると次々と女性から挨拶されるけど無視してる紅露さん。


紅露さん…もしかしてだけど異性から人気?


「紅露…」

「どうした?霞」


試しに紅露さんの名前を呼んだら紅露さんは私に笑いかけるのを見て他の女性達が悲鳴を上げていた。


「霞ばかり〜!!」

「私達にも笑いかけて〜紅露」


やはり異性に好かれてる…紅露さん…。


「アンタ達なんて話しかける訳ないじゃん。紅露は私の彼氏・・よ!」

「お前の彼氏じゃないし俺は霞の彼氏。そこ履き違えるなよ」


茜さんにそう言って絡みついていた腕を振り解いた。


「もぉ!照れ屋さんなんだから!」


何処をどう解釈したら照れ屋さんになるんだろう…と考えていたら紅露さんに「考えるな。バカがうつる」と言われて考えるのをやめた。


「霞、紅露おはよう〜」

「あっ、おはよう…」


私の名前を呼んでくれた女性も居たので挨拶を返した。


通学路は紅露さんが異性にモテると言う事が分かって複雑な気分。


でも、他の女性に興味ない紅露さんを見て安心した。


蹴散らすのは得意よ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る