18・制服に着替えます
第18話
ベットに入っても中々寝付けない。
寝付けない理由は自分でもよく分かってる。
お風呂の最中にも考えてしまった二つの事。
紅露さんと
紅露さんに心が傾いている事。
「…紅露…今何してる?」
手が携帯に伸びて電源を付けて暗闇の部屋の中にボソッと呟いた言葉は闇の中に消えて気付いた。
無意識にその男性の存在を呼んでいた。
その事に恥ずかしくなって無理矢理目を瞑って寝に入った。
「…ア、朝だよ」
「んっ…まだ眠いよ…」
ここ、毎日に一番聴いた声が心地良く耳に入っていく。
「リリナーア。学校だよ?」
「う…んっ…。学校…?」
肩をポンポンと軽く叩かれてその反動で目をうっすらと開くと部屋は明るくて男性が視界に映る。
「一緒に住んだら俺が毎日起こすんだな」
その男性がカーテンを開きながら笑って言う。
「えっ?!」
上半身を勢いよく起こして視界に映るのは昨日の夜無意識に言葉に出した男性がカーテンの側にいて笑っていた。
「おはよう、リリナーア」
「おはようございます…。紅露」
挨拶しながら私のベットサイドに座る。
「寝顔可愛いね。リリナーア」
「…今度は紅露が、来る前に起きますわ」
恥ずかしくって慌ててベットから降りようとしたら止められた。
「?」
「リリナーア、危ないよ。怪我したら大変だ」
「ありがとうございます…」
ゆっくり降りて制服の場所に行き着替えようとして行動を止めた。
「紅露はここにいるつもり?」
「麗と遊んで来るよー」
笑って睨んだら紅露さんも笑って部屋から出て行った。
「紅露ったら!着替えれないって」
紅露さんはあのまま言わなかったら居たのだろうか?
私だってもうここの服装の着方くらいは分かる。
制服に手を伸ばしてパジャマを脱ぎ制服を着ていく。
着替え終わって鏡を見たらまたこれも知らない人が映る。
「服装でこんなに違う人になれるの不思議…」
「着替え終わった?霞」
「あっ、うん」
扉の向こうから声が聞こえたから返事をしたら扉が開いて紅露さんが顔を出す。
「おぉ!可愛いよ。リリナーア」
「って、写真撮らないで!」
カシャカシャと音がするから写真を撮ってる紅露さん。
恥ずかしいから慌てて紅露さんから携帯を取ろうとしたけど取れない。
「紅露!写真恥ずかしいっ」
「なんで?可愛いから良いじゃん。一番最初見たの俺だよ?だから俺の特権」
「一番最初ってもう意味分からないから朝食食べてくる」
「はいはい〜」
通学鞄を持って下に紅露さんと降りる。
さぁ、食べて学校よ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます