8・決意〜紅露目線〜
第8話
「紅露、私ね新しいゲームをする事にしたの」
「ふーん」
霞はベットに寝転がり俺はその下で座って漫画を読む。
「ヒーローを自分好みに設定出来るから紅露にする。ヒロインは設定済み〜」
「やめろ。ゲームの中までお前は俺をこき使う気か」
「違うよー。ヒーローと初夜を迎えるまで落として行くんだよ。困難に立ち向かいながらね!勿論ヒロインのストーリーもあるんだよ」
「ふーん。それ面白いのか?」
「重いっ。降りて」
俺は漫画を置いてベットに乗り上げ霞の上に体を預けた。
「これからやるんだもの!面白いかなんて分からないじゃない」
「まぁな。面白いといいなー」
「うん。紅露こっち向いて」
「?」
急にパシャと撮られた俺の顔。
それを霞はゲームに取り込みAIが俺の顔を読み込んで俺が映り込んだ。
「凄いな。俺がヒーローになった」
「ふふっ。これで攻略していくわよ!」
霞が嬉しそうで何よりだけど…。
「ちょっと…紅露っ!」
「少しイチャイチャしようぜ」
「紅露のは少しどころじゃ無いでしょー!!」
霞の胸を服の上から揉むと甘い声が漏れるけど俺達はまだ繋がってない。
一刻も早く俺の物にしたいと願うけど霞が「いいよ」って言うまで俺は霞を可愛がる。
「…さん?紅露さん」
「!!」
名前を呼ばれて視線を辿ったら目の前には俺の愛おしい女性の姿…
「紅露さん、大丈夫ですか?」
でも、今俺の視界に映る女は霞の姿をした別人。
今、何してたって…って考えを巡らせて霞が最後ゲームで寝落ちして画面を見たら俺が居て…。
「大丈夫…と思う…?いやっ…大丈夫じゃないから抱きしめさせて?」
「えっ?紅露さん、それはっ…」
見知らぬ男に抱きしめられるなんて嫌だよな。
だって今までも俺が触れようとしたら避けた。
ロイアン殿下に身を捧げてるんだよな?
…本当の霞なら笑って抱きしめてくれただろう。
ダメだ!霞と重ねちゃいけない…のに…
「これで…良いですか?」
「……!!」
少し震えながら俺を抱きしめてくれるリリナーア。
「リリナーア…ありがとう…」
「私の方こそありがとうございます」
リリナーア、君は霞とよく似てる。
霞が側にいる様に感じる。
霞…君はヒロインは設定済みって言っていたけどきっと自分に似せたのだろう。
だったらこのままリリナーアが十夜霞として生きてくれるなら俺は霞もリリナーア…どっちも手に入れる。
「リリナーア」
「はい、紅露さん」
待っていて欲しいの意味も込めてもう少し強く抱きしめた。
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