7・ロイアン殿下に会う?
第7話
「いつ戻れるか未定だから…」
「はい」
真剣な目で私を見る。
「リリナーア、君は
「…はい…」
私は
「君には酷な話だと思うけどこの日本で生きていくには十夜霞として生きるんだ」
「えっ?」
紅露さんの発言に驚いた。
「俺だって
「…!!」
そうだよね…
紅露さんは愛おしい彼女を失ってるに近いよね…。
それを私が奪ってしまった。
「紅露さん!あの…」
十夜霞として生きる覚悟を決めようしたら言葉を遮られた。
「リリナーア、手を出して」
「?」
名前を呼ばれて手を出したら手の中に小さい箱が、置かれた。
「これは…曲が鳴ったもの?」
「携帯って言うんだよ。これをとりあえずマスターしていこうか」
紅露さんは無理矢理でも前に進もうとしてるのが感じ取れたからそれに応えようと誓った。
「よろしくお願いします!先生」
「先生?俺が?」
「はい!この世界を私に教えて下さる先生です」
切り替えて紅露さんを
「了解。よろしく」
手の平に乗っかって少し大きい箱。
「まず横のボタン押して」
「横のボタン?」
言われた通りにボタンを押したら明るくなりドキドキした。
ここの部分は“画面”と教えてもらった。
「パスコードか。確か…」
紅露さんが携帯に“パスコード入力”と表示されていて数字を打って画面が変わった。
「わぁ!凄いです!」
「パスコードは霞と同じで開けて良かったよ」
霞さん。
私はこの女性にならないといけない。
「きゃあ!」
また曲が鳴ったので手から落としそうになったけど紅露さんがキャッチしてくれて呆れて言った。
「霞、ゲームしながら寝落ちしたんだな」
「ゲーム?何ですの、それは」
「これだよ。霞が最後やっていただろうこの画面」
「!!」
紅露さんに画面を見せられて心臓が高鳴ってる。
携帯に隠れていたなんて…。
どんなにお名前を呼んでも聞こえないはず。
「ロイアン殿下!!」
携帯に向かって名前を呼んだ。
「えっ?リリナーア?ロイアン殿下?」
紅露さんも慌てて画面を見て驚いた。
「俺がいる?」
「ロイアン殿下です。私、ロイアン殿下と結ばれるこの時を寝室で待っていたんです」
「!?」
私の言葉に紅露さんが固まり携帯を凝視してる。
「リリナーア…君は…」
「ロイアン殿下…」
私、やっとロイアン殿下に会えて嬉しくて。
だから紅露さんが止まった理由も気付かなかった。
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