第76話

【エリシア……会いたかった!

 ずっと……探していた……】


 狂気に包まれた父親を見ながら、その赤い【眼】に見詰められながら、ファムータルは確信していた。


 指先を食い破り、血を流す。


 その血を風に乗せて周囲に巡らせ、呪いを相殺する。


 そして――


 風圧が【父だったもの】を裂いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る