第74話
刻一刻と、取り返しのつかないことになるという確信が大きくなる。
来た道は長くないが、エリシア邸へ帰るには充分遠い。
風に髪を靡かせ走っていたファムータルは――風と呼吸を合わせる。
一部の王族しか起こせない奇跡と言われるその現象が、今起きた。
◆◇◆◇◆
気が付くとエリシア邸の前に居た。
……成功した?
それを知ると、丁鳩の愛馬をなだめて丁鳩邸に向かわせ、もう一度力を使う。
既にエリシア邸から侍女をはじめ、使用人たちが何人も飛び出してきている。
一刻を争った。
――もう一度――
爆音が響いたのと。
ファムータルの姿が【風に成って】消えたのは同時だった。
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