第43話

寝付くまでなっちゃんは俺の頭を撫でてた。窓の外はオレンジ。俺、どれだけ寝てた?


起きた時にはなっちゃんの手が俺の頭から離れていて。

それに対して寝なきゃ良かった…って気持ちが芽生えたけど。



「おはよう輝」



なっちゃんが笑ってくれるなら、それでいいと思えた。




「……おはよう…。なっちゃん、授業は…」


「ヒカル、髪ボサボサ」


「うそ、」


「あはは、嘘だよ。──…そういえば、何人かヒカルどうですか?って。見に来てたよ。女の子も男の子も。ヒカルって友達多いよね」


「そうかな、誰来てた?」


「誰って…名前知らないよ。学年違うもん。でも、女の子が多かったよ。ヒカルってモテるんだね」



まあ、顔イイし…。

モテる部類に入るんだろうけど。



「俺が好かれたいの、なっちゃんだけだよ」



ポロッと本音を言えば、なっちゃんは少し頬を染めて「またそんな意地悪言う…」と顔を逸らした。



意地悪って…

本音なのに。

別にからかったりしてるわけじゃなく。




「なっちゃん」


「なに?」


「ありがとう…いてくれて」


「うん、」


「俺、やっぱりなっちゃんが好き…」


「ひかる…」


「帰ろうか」


「…」


「家まで送るよ」

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