第33話
「何が言いたい?」
「だから、治らない…帰ってこないかもしれない男をずっと待つのが奈都でいいのかって話だろっ!」
「…お前」
「別にヒカルがどうって言ってるわけじゃない!」
「ウミ」
「なんだよっ」
「仲良くはなれないのに、好きにはなるのか?」
は?
好きに? 誰を? 何の話?
「どういう意味」
思わず不機嫌気味に言えば、ヒカルは真剣な顔つきをしてベッドに掌をついた。
「なっちゃんを好きになるなって言ってる」
好きになるな?
「誰が?」
「……」
「俺が?」
そんな馬鹿な話、あるわけない。
ルイと付き合ってるイカれた女ってずっと思ってた。それにヒカルを選べって…。
何言ってんの、ヒカル。
「冗談きついよ」
「じゃあもう、なっちゃんに会いにいくな」
「…」
「お前がルイのことを悪くいう限りなっちゃんが傷つく。なんでそれが分からない?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます