第9話

.




そう言いながら春樹はあたしの隣に腰掛け、おもむろにあたしの頭を撫でる。



恋愛的な意味は含まれていない、ただのスキンシップ。



恋人が愛しくて頭を撫でるそれとは全く違う。



あたしたちにとって頭を撫でるという行為は、今日も気持ち良くしてねという合図みたいなものだ。



「あ、そーだ。今日久しぶりにホテル行かね?実は昨日バイト給料日でさ、金入ったんだわ。」



「ん、別にいいよ。でもあたしお金ないよ。」




.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る