第79話

「…熱…はないね」


首を傾げて俺を見上げる陽南を思わず抱きしめたくなる


抱きしめて、当然キスしたくなる


抑えきれない感情が溢れ出しそうで、怖い―――



陽南の手から逃れるように少し仰け反ると


「だから、風邪じゃないって言っただろ?」



「わかんないじゃない。これから熱が出るかもしれないでしょ?」


そうしつこく言う陽南から逃れるように、視線を逸らし、額に触れていた手を振り払う

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