第78話

「ホントに風邪じゃないの?」


さっきとは違う、本当に心配そうな表情に、もっと苦しくなっていく


「…風邪…じゃないから…」


曖昧な笑いを浮かべる俺に少しずつ近づいてくる陽南



手がスッと伸びてきて、陽南の顔が目の前に見える



不意に冷たい感触



いつの間にか、陽南の手が俺の額に触れていた



その冷たさに背筋がブルッとする


なのに、額はまるで熱をもったかのように熱く感じて、胸の鼓動が激しくなっていく―――

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