第77話

閉じたドアを勢いよく開けて、少し先を歩く陽南を呼び止めた



陽南が肩越しに振り向く



「……早くおいでよ」


表面だけを取り繕ったような笑みに、どうしようもなく胸が苦しくなってくる



「…ゴホッ…」


「夏輝……?風邪?」


「コホッ…や、違う」


「え、だって、咳…」


「違うから」




吐き出したはずの煙が喉を締め付けるから


きっとそうに決まってる

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