第68話

「……」


着信音を鳴らし、青く光る表示を思わず凝視してしまった



通話ボタンにかけた指が気づかないうちに震えている



ボタンを押そうとしたその瞬間に鳴り止む音


慌てて不在着信を繰りだしかけ直した



電話の相手はコール音一回で出た



『……もしもし、夏輝?』

「…ああ」


携帯を持つ手、発する声までもが震え、コクンと唾を飲み込む音が電話越しに響きそうなくらい、緊張していた

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