第60話

『…夏輝?』


電話越しでも未紗の声が震えているようにも思えた



どうしたらいい―――



「未紗、前田…知ってるだろ?」


『え?ま、前田君?』


後ろにいる前田がいきなり自分の名前が出てきてびっくりしたのか、『俺!?』と言いながら自分を指差している


未紗もいきなりの前田の名前に戸惑っているのがわかる


『前田君が…どうしたの?』


「うん…いま一緒にいるんだけど…ちょっとこのあと今日の授業のことで聞きたいことがあるらしいから…今日は…無理かもしれない」

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