第233話

「え、でも、」


手に感じた思わぬ熱に、跳ねた心臓を反対の手で押さえなら隣に座ったコウキを見れば


いつもよりも柔らかく優しく感じる笑み。


どうしてそんなに優しくするの。


あたしのこと、好きじゃないならもうこれ以上優しくしないで。


―――そう思っても、あたしは結局この手を離せない。

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