第232話

「お待たせ」


それからすぐに、コウキがジュースやポップコーンが乗ったトレイを持ってやって来た。


「早かったね」


「まあな、今日は平日だから空いてたし」


自分の席の周りを見渡しながら「はい」とジュースを手渡された。


「ありがと。えと、お金、」


膝の上の鞄の中に手を入れて財布を探そうとしたら


「いいって。今日は俺の奢り」


そう言ってその手を掴まれた。

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