第234話

「マナ?」


「あ、じゃ、じゃあ…奢ってもらっちゃおう…かな」



「当然。デートなんだし。俺、マナの彼氏なわけだから。ここはやっぱ男が出すべきだろ」


「――、デー、ト?」


「そ。デート」


コウキはにっこり笑って繋いだ手を自分の膝の上に乗せた。


“デート”“彼氏”


普通に付き合っていたら当たり前の言葉たち。


そんな些細な言葉が、今はとても嬉しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る