第182話
「んっ…ンン…ゃ…」
優しさの欠片もない、
ただ、欲望をぶつけてくる激しいだけのキス。
後頭部をガシリと掴まれ、両手はひとくくりに頭上で纏められ、
叫びたい言葉は全部飲み込まれ、
息をするだけで精一杯。
それでも、舌を入れようとするタクミを歯を喰いしばる勢いで必死に拒否した。
「ちっ…」
そんなあたしに苛立ったのか、一瞬離れて、舌打ちするタクミ。
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