第164話

ギィッと重たい音を響かせてコウキが屋上のドアを開け放つ。


「マナッ!」


その途端に、飛び込んできた声と影に、驚いて目を見開いた。


「え……カ、カレン…?」




「大丈夫!?どこもなんともない?」


あたしの体に飛びつくように抱きついてきたカレンは、ギュッと一度強く抱き締めたあと、少し離れてあたしの顔を心配そうに覗き込んだ。

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