第155話

「あ………あたしは…ただ…コウキが…心配で…」


心配?


どうして。


「余計なお世話だな」


フンッと鼻で笑うコウキ。


「…だ、だって…マナは、マナはッ」


あたし?


ナナミの潤んだ瞳の奥に見え隠れする鋭い視線が突き刺さる。


「マナはタクミと付き合ってたッ」


なにを今さら。


そんなこと、コウキは最初から知ってるし。


「だから?」


コウキもさらに冷たく言い返す。

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