第154話

そんなあたしの耳に聞こえてきたのは、


「クッ、ククッ」


嘲るようなコウキの笑い声。


弾かれたように俯いていた顔をあげれば、


氷のような冷たい瞳。右の口端だけをあげて笑む歪んだコウキの表情が見えて、自然と体が震えた。


「コ、コウ…――っ」


「ナナミ―――…いきなりなに?なにが言いてぇの?」


冷めた口調に鼓膜までもが震えるようで、怖くなる。

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