第113話

なんだかモヤッとした気持ちに首を傾げてコウキを見上げる。


するとコウキはそんな状況をさらに誤魔化すように、手をサッと上げると


「んじゃ、俺は帰るな」


そう言って体を駅の方へ向けた。


「え?」


もう?


そう言いかけて、そんな自分に疑問がわいた。


どうしてそんなことを思ったんだろうって。


だから


「…送ってくれて…ありがとね」


すぐに思い直して小さく手を振った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る