第12話

「…もう、いいのに」


今は、とにかくタクミに関わるすべてを忘れたいのに、そうはさせてくれない存在がクラスにいるって、


すごく煩わしく感じてしまう。


だから、今更謝られても、どうでもいいっていうか、困る。



廊下にある窓にもたれかかり、大きな溜め息を溢したとき、


「背中に背負ってるオーラが暗いぞー、マナ」


ポンッと両肩に誰かの手が置かれ、頭上から聞こえた声に顔を上げる。


「……」


ニヤニヤしながらあたしの顔を覗き込んでくるから、自然と眉間に皺が寄ってしまった。

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