第82話

予想外の滝川君の言葉に私の頭はパニックになる。


滝川君はため息をつく。

「……そんな無防備で来ないで欲しい。」


自分が着ている服を見る。ワンピースの上にカーディガンだけなんだけど。

「はるかは僕のことを無自覚とか言うけど君も結構なところで無自覚だと思うよ。」


そう言われるとちょっと恥ずかしくなる。


そんな話をしに来たんじゃないんだけど。

なんだか頭がフワフワする。


でもそのフワフワな気持ちは打ち消されてしまう。


「決められた道があるのって楽に見えて耐えられないの知ってる?」


「え……、」

急に彼が言ったから、意味がよく分からなかった。


「僕の進路を気にして来たのくらい言わなくても分かるよ。はるかは大事な時にしか僕の隣には来ないからね。」




……滝川君は鋭い。

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