第81話

「僕に言いたいことがあるんだよね。」

滝川君はそう言いながら彼の母親が準備してくれた紅茶を私の前に置いた。


「真美が、滝川君が溺れそうだって言うから……、」

「……溺れそう?どういう意味。」

「私もよく分からない。」


彼に抽象的は言葉は通じない。


「いいの?この時期に僕の事で脳使って。」

「え?」

「僕ら受験生って事忘れてない?」

テーブルを挟んで私の前に座る滝川君は少し呆れた表情をする。


「来たの、迷惑だった?」

「迷惑っていうか……、」

そう言って彼は私の髪に触れる。


「理性がぶっ飛びそうで迷惑。」

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