第79話

滝川君のおかげで私の誤解は解けた。

そして初めて滝川君の家にお邪魔することになった。


「友達ね……、」

滝川君のお父さんはそう言うと私達とは違うドアを開けて静かに閉めた。


その瞬間、私は息をするのを忘れていたように息を吐いた。

「き、緊張した……、」

「え?緊張してたの?僕の父さんなんだけど。それよりびっくりさせないでよ。」

滝川君はそう言って部屋を案内してくれた。

そこは自室だった。


「あ、はるかが初めてだよ。」

「何の?」

「女の子がこの部屋に入るの。」


ちょっと……、嘘っぽいけど一応信じてみることにする。

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