「もしかしたら、皆が滝川君みたいになりたいって思ってるコトが彼にとったら息苦しいのかな。だから自由になりたいのかな……、」

ほっておいて欲しい、自由になりたいと滝川君は言ったことがあるのを思い出した。

「そんなのただ逃げたいだけよ。思い通りにならないから。」

一瞬真美の言ってる意味が分からなかった。

でもそう言われて少し腹立たしくもあった。

「真美、滝川君の何を知ってるの？」

「知らないよ？だって彼は溺れそうなのに本心を見せようとしないもの。分かりようがない。」

真美は彼女の私より滝川君の事をよく理解しているように見えた。

「だからはるかが引き上げないと本当に滝川君は溺れちゃうよ？それははるかにしか出来ない。」

「真美……、そんなドラマみたいなセリフどこで覚えたの、」

そう言うと左頬をつねられた。

結構痛かった。

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