第72話

「……決めてないですよ?どうしてそんな事聞くんですか?」

「じゃあもう一度理由を聞いても?」

「前から言ってます、興味がないんです。」


そう言うと久慈先生は笑う。

「お前、反抗期?」

「は?」

反抗期って……。

「だって授業中はお前1人だけつまらなさそうにしている。他のクラスメイトは必死で食いついて来るのにお前だけ他人事。」


「よく見てますね。」

「それだけ目立つとな。それに俺は担任だし、滝川自身はずっと首席の生徒だし?見ないわけないだろ。」


僕は何も答えなかった。


「滝川はどこを受験しても希望通りの所にいけるだろうよ。でも自分が抱えているその塊を解決できる大学、学部があるか?」


「先生、難しい事は僕には分かりません。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る