第64話
「……疲れた?何に?」
止めないといけないのに心の中にある言葉を吐き出してしまう。
「気疲れっていうか……、上手く言えないんだけど、」
「結構上手く言えてると思うけど。僕に対してでしょ。」
私は滝川君の方を向く。
「だって僕は完璧ではないから。」
「滝川君……、」
「だけど周りはそうやって完璧を求めてくる。僕自身に対しても相手に対しても。」
「ごめ……、」
「なぜ僕だけ1人完璧でないといけない?そして一体どうすればはるかは楽になる?完璧でない僕と別れたら楽になる?だとしたら完璧な相手をココに連れて来て。」
私は滝川君を抱きしめる。
強く。
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