第38話

滝川君のせいだよ、もう。

私はため息をつく。

私は勉強しないとダメなんだって!

滝川君に振り回されてる場合じゃない。

そして彼は私のことなんて好きじゃない。

私は何回も頭の中で呪文のように繰り返す。


すると教室がザワザワし始める。

「ん?滝川君が入ってきた途端なんかザワついてない?」

真美はそう言いながら教室を見渡す。

滝川君が真美の隣に座った。


「……滝川君、なんかあった?」

真美はダイレクトに本人へ伝える。

こういう勇気は私はない。


「?なんのこと、」

滝川君自身も理解していないようだった。

「いやいや、このクラスのザワつきよう普通じゃないでしょ、あ、また普通って言っちゃったけど。」

真美の言葉に滝川君は吹き出す。

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